はじめに(結論)
緑内障は、目と脳をつなぐ「視神経(ししんけい)」が少しずつ傷んで、見える範囲が欠けていく病気です。多くはゆっくり進むため、初期は自分ではなかなか気づきません。
原因は一つではありませんが、「眼圧(がんあつ)」という目の中の圧力が関係しているとされています。治療では、この眼圧を下げて進行をおさえることをめざします。
この記事では、緑内障がどんな病気なのか、そのしくみと種類を、できるだけやさしくお伝えします。病気を知ることは、不安をやわらげる第一歩です。
この記事でわかること
- 緑内障がどんなしくみで起こるのか
- 「眼圧」と「視神経」「視野」の関係
- 緑内障にはどんな種類があるのか
- なぜ早く見つけて治療を続けることが大切なのか
緑内障は「視神経が傷む」病気です
緑内障を理解するために、まず目のしくみを簡単に見てみましょう。
私たちの目は、よくカメラにたとえられます。目に入った光は、目の奥にある「網膜(もうまく)」というフィルムのような場所に映ります。そして、その情報を脳に届けているのが「視神経(ししんけい)」です。視神経は、目と脳をつなぐ「電気の配線」のような役割をしています。
緑内障は、この視神経が少しずつ傷んでいく病気です。配線が傷むと、目に映った情報がうまく脳に伝わらなくなり、見える範囲(これを「視野(しや)」といいます)が少しずつ欠けていきます。
ただし、初期のうちは自分ではほとんど気づきません。理由は2つあります。1つは、片方の目で欠けた部分を、もう片方の目が補ってくれるため。もう1つは、脳が足りない情報をうまく埋めて、自然に見せてしまうためです。そのため、かなり進むまで気づかない方も少なくありません。
だからこそ、自覚症状がなくても、検査で早く見つけることが大切になります。
「眼圧」が視神経に関係しています
では、なぜ視神経が傷んでしまうのでしょうか。その原因の一つとして知られているのが「眼圧(がんあつ)」です。
眼圧とは、目の中の圧力、いわば「目のかたさ」のことです。目の中は「房水(ぼうすい)」という透明な液体で満たされていて、この液体が一定の量に保たれることで、目はちょうどよいかたさを保っています。房水は、目の中で作られては、決まった出口から流れ出ていく、という循環をくり返しています。
ところが、この出口が詰まったり、流れが悪くなったりすると、房水がたまって眼圧が高くなります。眼圧が高い状態が続くと、視神経に負担がかかり、傷みやすくなると考えられています。
このため、緑内障の治療では、眼圧を下げて視神経への負担をやわらげることをめざします。これが、点眼薬などで眼圧を下げる理由です。
ただし、注意点があります。眼圧が高くないのに緑内障になる方もいます。日本人にはこのタイプが多いことがわかっています。ですから、「眼圧が正常だから緑内障ではない」とは言いきれません。眼圧だけでなく、視神経や視野の状態をあわせて見ていくことが大切です。
緑内障にはいくつかの種類があります
緑内障とひとことで言っても、いくつかの種類があります。ここでは代表的なものをご紹介します。ご自身がどのタイプかは、主治医に確認してみてください。
正常眼圧緑内障(せいじょうがんあつりょくないしょう)
眼圧が正常の範囲なのに、視神経が傷んでしまうタイプです。意外に思われるかもしれませんが、日本人の緑内障ではこのタイプがもっとも多いとされています。眼圧が正常でも油断できない、ということを示しています。
開放隅角緑内障(かいほうぐうかくりょくないしょう)
房水の出口は開いているものの、その先の流れが悪くなって、眼圧がゆっくり上がっていくタイプです。時間をかけて少しずつ進むことが多く、自覚症状が出にくいのが特徴です。
閉塞隅角緑内障(へいそくぐうかくりょくないしょう)
房水の出口そのものがふさがってしまうタイプです。ゆっくり進む場合もありますが、出口が急にふさがると、眼圧が急激に上がり、強い目の痛みや頭痛、吐き気などが起こることがあります。これを「急性緑内障発作」と呼びます。こうした症状が出たときは、急いで眼科を受診する必要があります。
このように、緑内障にはいくつかのタイプがあり、進み方や治療法も少しずつ異なります。どのタイプかによって対応が変わりますので、ご自身の状態は主治医にたずねてみるとよいでしょう。
よくある質問
Q. 眼圧が正常と言われましたが、緑内障なのですか?
A. 眼圧が正常でも緑内障になることがあります。これを正常眼圧緑内障といい、日本人には多いタイプです。眼圧だけでなく、視神経や視野の状態をあわせて診断します。詳しくは主治医にご確認ください。
Q. 緑内障は遺伝しますか?
A. 血縁者に緑内障の方がいると、なりやすい傾向があると言われています。ご家族に緑内障の方がいる場合は、症状がなくても一度、眼科で検査を受けておくと安心です。
Q. 目の痛みや見えにくさがないのに緑内障と言われました。なぜですか?
A. 多くの緑内障は、初期には自覚症状がほとんどありません。健康診断やほかの目の相談で、たまたま早く見つかることがよくあります。症状がない段階で見つかったのは、むしろ良いことだと考えてください。
Q. 緑内障は予防できますか?
A. 確実に予防する方法は今のところ知られていません。ただし、早く見つけて治療を始めることで、進行をおさえることは期待できます。定期的に目の検査を受けることが、いちばんの備えになります。
まとめ
緑内障について、しくみと種類をお伝えしてきました。要点を整理します。
- 緑内障は、目と脳をつなぐ視神経が傷み、見える範囲が欠けていく病気です。
- その原因には眼圧が関係していることが多いですが、眼圧が正常でも起こることがあります。
- いくつかの種類があり、進み方も異なります。自分のタイプは主治医に確認しましょう。
- 初期は気づきにくいため、早く見つけて治療を続けることが何より大切です。
病気のことを知ると、漠然とした不安が少し具体的になり、向き合いやすくなります。わからないことや不安なことは、遠慮なく主治医に相談しながら、一歩ずつ進んでいきましょう。
※ この記事は緑内障に関する一般的な情報をお伝えするものです。あなたの症状や治療方針については、必ず主治医にご相談ください。

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