はじめに(結論)
緑内障と言われて、不安な気持ちでこのページを開かれたかもしれません。まず知っていただきたいのは、緑内障は急いで何かを決めなければならない病気ではない、ということです。
緑内障は、ゆっくり進むことが多い病気です。そして、治療を続けることで進行をおさえることが期待できます。今すぐ見えなくなるわけではありませんので、どうか落ち着いてください。
大切なのは、あわてないこと、自己判断でやめないこと、そして主治医と一緒に治療を続けていくことです。この記事では、診断を受けた今、知っておくと安心できることをお伝えします。
この記事でわかること
- 緑内障と診断された直後に、まず落ち着いてよい理由
- 緑内障がどんな病気で、なぜ治療を続けるのかという基本
- 診断を受けたあと、あなたがこれから取り組むこと
- 不安なときに、主治医へどう相談すればよいか
まず、あわてなくて大丈夫です
「緑内障」と聞くと、失明という言葉が頭に浮かんで、強い不安を感じる方が多くいらっしゃいます。その気持ちは自然なものです。
ただ、知っておいていただきたいことがあります。緑内障の多くは、何年もかけてゆっくりと進んでいくタイプの病気です。診断された次の日に見えなくなる、というものではありません。
緑内障は、目と脳をつなぐ「視神経(ししんけい)」という神経が、少しずつ傷んでいく病気です。視神経は、目に映ったものを脳に伝える、いわば「電気の配線」のような役割をしています。この配線が傷むと、見える範囲(視野)が少しずつ欠けていきます。
とはいえ、初期のうちは自分ではほとんど気づきません。これは、片方の目が欠けた部分をもう片方の目が補ったり、脳が足りない情報をうまく埋めたりするためです。健康診断や、ほかの目の相談でたまたま見つかる方が多いのも、このためです。
つまり、今あなたが診断を受けられたということは、まだ自覚症状が出る前の早い段階で見つかった可能性があるということです。これは、これから治療を始めるうえで、決して悪いことではありません。
緑内障の治療は「これ以上進ませない」ことが目的です
ここで、緑内障の治療について大切な考え方をお伝えします。
残念ながら、今の医療では、一度傷んでしまった視神経を元どおりに戻すことはできません。そう聞くと不安になるかもしれませんが、本当に大切なのはここからです。
緑内障の治療の目的は、「今ある見える力を、できるだけ長く保つこと」です。言いかえると、これ以上進ませないようにすることが治療のねらいです。元に戻すのではなく、今を守る。これが緑内障治療の基本的な考え方です。
そのために、多くの場合はまず「眼圧(がんあつ)」を下げる治療から始めます。眼圧とは、目の中の圧力(目のかたさ)のことです。眼圧が高い状態が続くと、視神経に負担がかかりやすいことがわかっています。眼圧を下げることで、視神経への負担をやわらげ、進行をおさえることが期待できます。
眼圧を下げる方法として、最初に行われることが多いのが点眼薬(目薬)です。毎日きちんと続けることで、効果が期待できます。点眼だけでは十分でない場合に、レーザー治療や手術といった方法が検討されることもあります。
どの治療が合っているかは、緑内障のタイプや進み具合、眼圧の高さなどによって、お一人おひとり異なります。あなたに合った方法は主治医が判断しますので、気になることは遠慮なく相談してください。
これから、あなたが取り組む3つのこと
診断を受けた今、あなたにしていただきたいことは、とてもシンプルです。大きく3つあります。
1. 処方された点眼を、毎日続ける
点眼薬は、毎日決まったタイミングで続けることで効果が期待できます。自覚症状がないからといって、自己判断でやめてしまうと、知らないうちに進んでしまうことがあります。「効いている感じがしない」と感じても、それは多くの場合、進行をおさえられているサインでもあります。続けることが何よりの治療です。
2. 定期的な検査を受ける
緑内障は自分では進行に気づきにくいため、定期的な検査で変化を確認していきます。眼圧の検査や、見える範囲を調べる「視野検査(しやけんさ)」などを、決められた間隔で受けることが大切です。検査は、あなたの目の状態を主治医と一緒に見守るための、大事な手がかりになります。
3. わからないこと・不安なことは主治医に伝える
点眼がうまくさせない、副作用が気になる、検査結果の意味がわからない。そうした疑問は、ためこまずに主治医に伝えてください。治療は長く続くものですから、納得しながら続けられることがとても大切です。質問することは、決して迷惑なことではありません。
この3つを続けていれば、緑内障とは十分につきあっていけます。あわてず、あきらめず、一歩ずつで大丈夫です。
よくある質問
Q. 緑内障は治りますか?
A. 一度傷んだ視神経を元に戻すことは、今の医療では難しいとされています。ただし、治療によって進行をおさえ、見える力を保っていくことは期待できます。「治す」よりも「これ以上進ませない」ことが治療の目的だと考えてください。
Q. すぐに失明してしまうのでしょうか?
A. 多くの緑内障はゆっくり進むため、診断後すぐに見えなくなることは通常ありません。治療を続けることで、生涯にわたり日常生活に必要な見える力を保てる方も多くいらっしゃいます。進み方には個人差がありますので、ご自身の状態については主治医にご確認ください。
Q. 点眼はいつまで続けるのですか?
A. 多くの場合、緑内障の点眼は長く続けていく必要があります。途中でやめると眼圧が再び上がることがあるため、自己判断での中止は避けてください。続け方やお薬の変更については、主治医とよく相談しましょう。
Q. 自分でできることはありますか?
A. いちばんは、点眼と定期検査を続けることです。生活習慣については、目をこすりすぎない、処方された薬を正しく使う、といった基本が大切です。特定の食べ物やサプリで治るという確かな根拠はありませんので、まずは治療の継続を大切にしてください。
まとめ
緑内障と診断されると、不安になるのは当然のことです。でも、思い出してください。
- 緑内障の多くは、ゆっくり進む病気です。あわてる必要はありません。
- 治療の目的は、今ある見える力を守り、これ以上進ませないことです。
- あなたが取り組むのは、点眼を続ける・定期検査を受ける・不安を主治医に伝える、この3つです。
緑内障は、正しく向き合えば、長くつきあっていける病気です。一人で抱え込まず、主治医と一緒に、できることから始めていきましょう。このサイトも、あなたの不安が少しでも軽くなるよう、これからもお手伝いします。
※ この記事は緑内障に関する一般的な情報をお伝えするものです。あなたの症状や治療方針については、必ず主治医にご相談ください。
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